BMW
BMWの歴史
BMWは、ドイツの高級車ブランドとして世界的に有名で、2輪の世界でも古くから多くのバイクファンにも愛され親しまれてきました。
ボクサーツインと呼ばれるその独特なエンジンレイアウトは唯一無二で、高出力の並列四気筒エンジンが開発された現在も、BMWの主力モデルとなっています。
バイクメーカーとしてのBMWの歴史は、1923年に製造された「R32」から始まります。
R32に搭載されたM2B15エンジンは、後のBMWのイメージを決定づける空冷水平対向二気筒(ボクサーツイン)のエンジンで、500㏄の排気量にも関わらず、非常に軽量コンパクトに設計されていました。
その後はエンジン・車体を次々と改良していき、レースでも活躍しましたが、1950年代後期に入るとバイク部門、自動車部門共に売り上げが落ち込み、会社存続の危機に瀕し、一時はバイク部門の撤退まで議論されました。
危機からの回避、現在
1959年には、吸収合併寸前まで話が進み、会社存続が危ぶまれたBMWですが、それを回避してから徐々に経営が改善されていきます。
自動車部門を主体としながらも、バイクの製造販売も続行し、次々と革新的な機能やデザインを生み出して行きました。
1980年代にはボクサーツインエンジンのオフロードモデルを開発し、現在でもお馴染みの「GSシリーズ」として発売すると、パリダカールラリーで優勝します。
更にハイパフォーマンス志向のユーザー向けに、新たに水冷並列四気筒エンジンの「Kシリーズ」を開発し、新たな歩みを始めます。
一時は売却の危機もあったBMWのバイク部門も、現在では精力的にモータースポーツにも参加し、オフロードスポーツのみならず、スーパーバイクレースを意識したS1000RR等のモデルも発売しています。
古いけど新しいエンジン
BMWの代名詞と呼ばれる水平対向二気筒エンジンの初代は「M2B15」で、そのピストンの動きからボクサーツインと呼ばれ愛されて来ました。
バイクとしては非常に古典的なエンジンレイアウトで、化石の部類に入るボクサーツインですが、『エンジンのBMW』と呼ばれる技術開発力によって、次々と新しい技術が投入されています。
1990年代に入ると、それまではOHV2バルブであったエンジンをSOHC4バルブ化し、空冷からオイル冷却化されたヘッド(オイルヘッド)が登場します。
それ以後はツインプラグ化、バランサーシャフトの内臓、排気量の拡大、DOHCヘッドの登場、空冷水冷のハイブリッド化等々の進化を遂げています。
エンジン自体も初代からは非常にコンパクトになり、最新型ではクランクケース上はほぼフラット状態で、ボクサーエンジンの長所である「低重心・高ハンドリング」を更に向上させています。
Kエンジンの登場によって、一時は生産中止も考えられたボクサーツインですが、世界中のボクサーファンからの声に押され、主力モデルとして現在も改良され続け、根強い人気を誇っています。
BMWの人気モデル
往年からのバイクファンにとっての人気モデルは、世界で初めてフルカウルを採用し、1976~84年まで生産されたR100RSです。
熟成されたボクサーツインを搭載したフルカウルのR100RSは、そのデザイン秀逸さから「いつかはRS」と呼ばれ、BMWファンからは憧れのモデルでした。
現在の一番人気車種は、オフロードモデルながら高速ツーリングをも意識した、R1200GSです。
ボクサーツインながら125馬力のも高出力を誇り、猛禽類を意識したデザインから、高い人気を誇っています。
どうしてもBMW=ボクサーツイン(Rエンジン)のイメージが強いですが、水冷並列四気筒のKエンジンのモデルも人気が高いです。
中でもハイパフォーマンスモデルのS1000RRは人気があり、193馬力の高出力とスーパーバイクをイメージしたデザインと相まって、非常に人気があります。
他にも水冷シングルエンジンのG650GSや、ツインのF800GS等もBMWの入門モデルとして人気があり、「BMWユーザー」を幅広くカバーしているラインナップとなっています。