タンクの凹みを自力で直す
交換したほうが早いけど
バイクのガソリンタンクというのは、転倒などによって凹みやすい部分でもあります。
万が一ガソリンタンクが凹んでしまった場合、バイクショップに持っていくとタンクを交換することがほとんどです。
凹みを直そうと思うとまず塗装を剥がし、板金補修をした後に再度塗装をするという面倒な作業をしなければなりません。
こうなると、工賃が非常に高くついてしまうというネックがあります。
タンクにしても、車種によっては新しいタンクが入手できないケースも珍しくありません。
バイクショップに持っていったけれど、修理費や対処方法に納得がいかないというライダーは、凹みを自分で直してしまうこともできます。
タンクの凹みを自分で修理する方法
タンクの凹みがごく軽いものであれば、自分で修理することも不可能ではありません。
凹みを補修するためには「デント補修」という技法が使用されます。
デント(dent)というのは英語で「凹み」という意味で、自分で修理するためには「押し出し棒」を使用します。
プロは専用のツールを使って凹みを修理しますが、素人のライダーならテント設営時に使うロープ用のペグで代用することができます。
ペグはホームセンターで入手することができるアイテムで、これ以外に建築用のバックル用ネジなども凹みの修理に役立ちます。
デントリペアも市販されていますので、バイクいじりが好きなら買い揃えておくのも一興でしょう。
デントリペアツールセットは2,000円前後で入手することができます。
押し出し棒は内部から凹みを押し出して修理するのに対して、デントリペアのほうは凹んだ表面にツールを貼り付けて凹みを引っ張り出す方法を用います。
どちらがいいかは凹みの状態によっても違ってきますので、押し出し棒でうまくいかないときにデントリペアを使ってみるのがおすすめです。
押し出し棒を使う場合には、タンクをしっかりと固定しておくことが大切です。
作業台などにタンクを固定したら、凹んでいる部分をペグなどで押しながらハンマーで外側を叩きます。
このとき、あまり強い力で叩かないように注意しましょう。
押し出し棒を入れた際に、給油口の縁に力を入れて支えてしまうと縁の形が歪んでしまうことがあります。
縁の部分に負担がかからないように、棒を適宜曲げて使うことが大切です。
ペグなどの押し出し棒の先端がとがっていると、凹みも部分的に尖った形で盛り上がってしまいますので注意しましょう。
なお、押し出し棒を使った修理では完璧に凹みを修理することはできませんので、ある程度の妥協も必要です。
どうしてもきれいに修理できない場合には、凹み部分にステッカーチューンを貼ってしまうのもひとつのアイディアですし、パテ埋めそて再塗装することもできます。